紅葉狩り

秋も深まり今年も紅葉狩りのシーズンがやってきました。
赤や黄色に色付いた山はとても美しく、四季のある日本ならではの風情を感じられる習慣です。
でも、紅葉狩りという言葉に違和感を感じたことはありませんか?景色を見に行くのに、なぜ「狩り」と言うのでしょう?

日本の最古の和歌集である「万葉集」の中に紅葉狩りという言葉が出てきます。
万葉集は約1,300年前の7世紀後期~8世紀にかけて奈良時代の日本で現存する最古の和歌集と言われています。
その頃から「紅葉狩り」という言葉が存在したということになります。
当時の貴族たちの間で広まった紅葉狩り。 美しい紅葉を鑑賞しながら宴を催し、和歌を詠むなどしながら楽しんだようです。
紅葉狩りが世間一般にも楽しまれるようになったのは、江戸時代中期になってからといわれています。

ではなぜ、紅葉「狩り」というのでしょうか?
本来「狩り」とは、獣を捕まえるときに使われる言葉です。
昔の貴族たちにとって、歩くという行為はあまり上品ではない、と認識されていたようです。
紅葉を見るためには山や渓谷に行かなくてはならず、現代のように移動手段のない時代には容易なことでは ありませんでした。
そのため、紅葉の鑑賞に出向くことを狩りに見立て「紅葉を狩りにいく」とおしゃれに表現したことが由来とされています。
江戸時代に入ると裕福な商人が現れ、町民文化も盛んになり紅葉の美しい場所へ行って酒を飲んだり、弁当を食べたりする庶民の秋の楽しみになり、紅葉狩りも世間一般化して定着してゆきました。
紅葉狩り

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